抜け毛・薄毛が起きる仕組み

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まず、髪の毛が抜けてしまうのは人間が常にターンオーバーを繰り返していることが原因にあります。
毛はもともとは皮膚の一部であり紫外線やホコリ、細菌などの汚れ、摩擦などと言った外部からの刺激やダメージから体を守るために存在します。角質と呼ばれる死んだ細胞が肌の表面にあり、これで生きている皮膚を保護しているため普段私達が自分で触っている肌は死んだ細胞です。
髪もまた死んだ細胞でできています。だから、強く肌をこすったり髪の毛を切っても痛みを感じる事も怪我をすることもないのです。
ターンオーバーとは肌の新陳代謝の事で、新しい皮膚細胞が体の中でできあがり、真皮から表皮へと上に押し上げられていきます。古くなった細胞が新しい細胞に押し上げられ、表面まで上がってくると最後には垢となって剥がれ落ちる…この一連の流れをターンオーバーと言い、このターンオーバーは髪の毛にも当然起こります。髪の毛や体毛が体の中でうまれ、毛穴から体表面に出て、ある程度の長さまで成長し、成長が止まった毛が抜け落ちる…この流れを「ヘアサイクル(毛周期)」と呼んでいます。
つまり、このヘアサイクルがある以上、「髪の毛を全く抜けないようにする」という事は不可能なのです。

髪の毛には別の呼び方があるのをご存知ですか?実は、漢方の世界では髪は「血余」と呼ばれています。「血が余る」という字の如く「血や、血が運んだ栄養が余って出来たものが髪の毛である。」という風に考えられており、この血や血で運んだ栄養が足りない・少ない状態(血虚の状態という)になると薄毛になってしまうのであると考えられています。
つまり漢方の世界ではしっかりとバランスの良い食事をとって、栄養を摂り「血余」の状態であれば、髪が細くなったり抜けてしまったり生えて来なくなるような事はなく、薄毛に悩む事もないとされています。

実際、不摂生な生活やバランスの悪い食事、過度なダイエットなどをしたせいで肌が荒れたり、髪がパサついたり…というような話を聞いた事があるかもしれませんが、これは所謂血虚の状態だから、という事になります。近年、これが原因の若い女性の薄毛も増えています。
この血虚の状態と言うのはヘアサイクルにも関わってきます。
髪の毛は、「今日食べた栄養が明日髪になって生えてくる」と言うものではありません。摂取した栄養素じが体の中で分解され、血液に乗って体中を駆け巡り、余った最後の部分が皮膚や髪の毛、爪へと送られてキます。少しタイムラグがあると言う事です。もしかすると、今の悩みは数ヶ月、数年前の自分のツケを払っている…という可能性もあるのです。
また通常髪の毛のヘアサイクルは数年あると言われており、特に育毛で一番重要な「成長期」の髪の毛は3年以上あると言われていますが、薄毛の人はこの成長期が極端に短くなる傾向があります。そうするとまだしっかりと育ちきっていない毛が抜けてしまうため髪の毛の生産も追いつかず、毛穴もどんどん細くなる悪循環が発生し、だんだん薄毛が目立つようになってしまいます。